公開日:2022年12月28日最終更新日: 2022年12月28日
AWS Resource Explorerは2022年11月7日にドキュメントがリリースされたAWSの新機能です。機能が公開されてから少しずつアップデートが続いていて、最近はAWSエンジニアの中で注目される機能の1つとなっています。
すべてのリソースを一元管理できるサービスであり「今までありそうでなかった」ともいえるのがAWS Resource Explorerです。今回は具体的にどのようなサービスであるのかご紹介していきます。
目次 <Contents>
AWSの新機能:AWS Resource Explorerとは
冒頭でもご説明したとおりAWS Resource Explorerは2022年11月に公開されたAWSの新しいサービスです。具体的にどのようなサービスであるのか、まずは基本知識についてご説明します。
AWS Resource Explorerの概要
AWS Resource ExplorerはAWSユーザーが使用している世界中のリソースを簡単に検索できるサービスです。一般的にAWSでのサービス開発では、大量のリソースを取り扱わなければなりません。
また、システムの可用性を高めるために世界中のリージョンにリソースを配置するなど「どこにどのリソースがあるのか」を把握しにくい状況となってしまいます。システムの利便性を考えるとやむを得ないことではありますが、AWSの管理者としては望ましくない状況になってしまうのです。
しかし、AWS Resource Explorerはこのような問題をスムーズに解決するもので、世界中に分散配置されているリソースがどこにあるのか短時間で検索してくれます。リソースの検索に無駄な時間を割くことなく、短時間で効率よく必要なリソースを見つけ出せるようになるのです。
このような機能を実現するために、AWS Resource Explorerは世界中のリソースについての「インデックス」を作成しています。初回はインデックス作成のために時間を要してしまいますが、事前にインデックスの作成さえ完了していれば、その内容を活用してスムーズな検索を実現してくれるわけです。
なお、インデックスの作成には最大で36時間が必要になるため、初回利用時はリードタイムに気を付けなければなりません。
AWSの新しいサービスではあるものの、標準サービスとして提供されるもので利用料金は不要です。費用面も含めて気軽に導入できるサービスだと考えましょう。
AWS Resource Explorerの利用できるリージョン
現時点では全てのリージョンで利用できるのではなく、 以下のリージョンでのみサービスが提供されています。
- 米国東部(オハイオ)
- 米国東部(バージニア北部)
- 米国西部(北カリフォルニア)
- 米国西部(オレゴン)
- アジアパシフィック(東京)
- アジアパシフィック(大阪)
- アジアパシフィック(ムンバイ)
- アジアパシフィック(ソウル)
- アジアパシフィック(シンガポール)
- アジアパシフィック(シドニー)
- カナダ(中部)
- 欧州(フランクフルト)
- 欧州(アイルランド)
- 欧州(ロンドン)
- 欧州(パリ)
- 欧州(ストックホルム)
- 南米(サンパウロ)
AWS Resource Explorerで把握できるリソース
AWS Resource ExplorerはAWSのリソースを横断的に検索できるサービスではありますが、現時点ではすべてのサービスをインデックスして検索してくれるわけではありません。公式ドキュメントを参照すると、例えば以下のリソースを検索可能です。
- Amazon CloudFront
- Amazon CloudWatch
- Amazon CloudWatch Logs
- Amazon DynamoDB
- Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
- Amazon Elastic Container Service Elastic Load Balancing
- AWS Identity and Access Management Amazon Kinesis
- AWS Lambda
- Amazon OpenSearch Service
- Amazon Redshift
- Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
- AWS Resource Explorer
- AWS Service Catalog
- Amazon Simple Notification Service
- Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)
- AWS Systems Manager
AWSには多くのサービスがありますが、現時点ではこれらのサービスがAWS Resource Explorerで管理できる対象となっています。
AWSアカウントでAWS Resource Explorerを有効化する流れ
1AWS Resource Explorerのコンソール画面を開き、[Resource Explorer をオンにする]をクリックします。
2適用するリージョンを選択し、ページ下部の[Resource Explorer をオンにする]をクリックします。
AWS Resource Explorerの主な利用方法
AWS Resource Explorerを有効化してからの利用方法について簡単にご説明します。
リソース検索
アカウントにどのようなリソースが存在するかを検索したいならば、リソース検索を実行します。コンソール画面を開くとまずはリソース検索画面が表示されるため、そこから必要なリソースを検索しましょう。
基本的には画像のとおりリソースが一覧で表示されます。ここにリソースの種類や名称、リージョンなどでの絞り込みを組み合わせることで、どのようなリソースが存在しているかを確認可能です。
ビューの作成と閲覧
毎回、同じ検索条件を利用するならばビューを作成しておくことで適用の手間が省けます。
1左カラムのメニューから「ビュー」をクリックし、[ビューの作成]をクリックします。
2例えば、東京リージョンだけを検索するビューを作成する場合は以下のとおり設定して、[ビューの作成]をクリックします。
3以下のようなビューが表示されるため、これをクリックすることで、設定した検索条件が適用されます。
全体検索
開いている画面を問わず、検索バーに「/resouces」と入力することでリソースの全体検索が可能です。
ただ、公式ドキュメントではサービスが提供されていますが、日本語アカウントでは機能が利用できません。今後のバージョンアップで利用できるようになると予想されるため、しばし待っておきましょう。
設定変更
左メニューから[設定]をクリックすると、設定画面が表示されます。
タイプが「アグリゲータ」になっているリージョンが、リソース検索の中心となるリージョンです。このリージョンにリソースの情報がインデックスされているため、利用時にはこのリージョンを選択しておきましょう。
もし、頻繁に検索するリージョンが現在と異なるならば、ここでアグリゲータを変更して利用することをおすすめします。
まとめ
AWS Resource ExplorerはAWSのリソースを横断的に検索できるサービスです。
現時点ではすべてのリージョン、すべてのリソースに対応しているわけではありませんが、それでもリソース検索に要する時間を短縮してくれます。これからサービスの内容が拡充されることで、さらに利便性が高いものになると考えられます。
なお、AWS Resource Explorerでリソースを効率よく管理するならば「タグ付け」など識別するための機能を活用しましょう。意外と活用していない人が多く見られますが、タグを付けるだけでAWS Resource Explorerをさらに効率よく利用できます。