公開日:2023年3月29日最終更新日: 2023年3月29日
システム構築において、顧客情報や商品情報など様々なデータを扱う場合、データベース(DB)は必須なサービスです。Azureでもユーザのニーズに合わせて、8種類以上のデータベースサービスが提供されています。
データベースサービスを利用することで、自社の情報技術リソースを最小限に抑え、データベースに関連するコストを削減することができます。
本記事では、Azureで提供されているデータベースサービスの種類や特徴、料金体系についてご紹介します。
目次 <Contents>
Azureデータベースサービスとは?
Azureデータベースサービスは、マイクロソフトが提供するクラウドベースのデータベースサービスで、複数のデータベースエンジンや管理機能を提供しています。これにより、データベースの管理や保守を簡素化し、アプリケーションの開発や展開に集中できるようになります。
クラウドデータベースのメリット
クラウドデータベースのメリットは、スケーラビリティが高く、需要に応じてリソースを自動的に調整でき、低コストで導入できることです。また、データの安全性が高く、バックアップや復元が容易に行えることも大きなメリットです。
クラウドデータベースのデメリット
デメリットはインターネット接続が必要なのでオフラインでの利用ができず、コントロールがプロバイダーにあるためカスタマイズが制限されることもあります。
Azureデータベースサービスの種類と特徴
Azureでは、要件に合わせて複数のデータベースを提供しています。本章では、主要なデータベースの種類と特徴や関連サービスを紹介します。
Azure SQL Database
Azure SQL Databaseは、SQL Serverエンジンをベースにしており、自動スケーリング機能や高い可用性・耐久性、データ暗号化などのセキュリティ対策が特徴です。
Azure SQL Managed Instance
Azure SQL Managed Instanceは、フルマネージド型のリレーショナルデータベースサービスであり、SQL Serverとの高い互換性があります。既存のSQL Serverアプリケーションをクラウドに移行する場合に適しており、完全なサポートと管理を提供しています。
Azure Database for PostgreSQL / MySQL / MariaDB
Azure Database for PostgreSQL / MySQL / MariaDBは、それぞれPostgreSQL / MySQL / MariaDBエンジンをベースにしたクラウドベースのデータベースサービスです。自動スケーリング、高可用性、データセキュリティ、柔軟な開発環境を提供しており、アプリケーションの要件に応じて柔軟な運用が可能です。
Azure Cosmos DB
Azure Cosmos DBは、分散型データベースサービスであり、NoSQLデータモデルをサポートしています。ミリ秒単位でのグローバルな読み取りと書き込みが可能であり、グローバル分散、柔軟なスキーマ、高いスループットと低レイテンシーが特徴で、スケーリングや可用性などを自動的に管理します。
Azure Cache for Redis
Azure Cache for Redisは、高速でスケーラブルなRedisキャッシュとストレージソリューションです。リアルタイムデータの処理やデータキャッシュに適しており、クラウドアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。
SQL Server on Virtual Machines
SQL Server on Virtual Machinesは、仮想マシン上にSQL Serverエンジンをデプロイするクラウドベースのサービスです。既存のSQL Serverアプリケーションをクラウドに移行する場合に適しています。
Azureデータベースサービスの料金体系
Azureデータベースサービスには使用量に応じた従量課金の料金体系が採用されています。使用量はデータベースのストレージ容量、データベーストランザクション数、およびデータ転送量に基づいて計算されます。
各データベースサービスには、異なるプランが用意されており、それぞれのプランには機能、パフォーマンス、スケーラビリティ、および料金に差異があります。
例えば、Azure SQL Databaseでは、基本的なシングルデータベースプランからより高性能な仮想コアベースのプラン、およびグローバル分散をサポートするハイブリッドオプションまで、多数のプランが用意されています。
Azureデータベースサービスの選び方のポイント
Azureデータベースサービスを選ぶ際のポイントは、要件により異なりますが、本章では、Azureデータベースを使用する上で、基本となるポイントを紹介します。
データベースの種類と要件に合わせた選択
Azureには多数のデータベースサービスがあります。それぞれのサービスには独自の機能、性能、スケーラビリティがあります。選択するデータベースサービスは自社のデータベースの種類と要件に応じて適切に選択する必要があります。
パフォーマンスとスケーラビリティのバランス
Azureデータベースサービスは基本的にはスケーラブルであり、必要に応じて拡張することができます。ただし、パフォーマンスとスケーラビリティのバランスを考慮する必要があります。
高性能のプランには高いコストがかかるため、予算やアプリケーションの要件に合わせた適切なプランを選択する必要があります。
コストと予算
Azureデータベースサービスは、従量制の課金体系を採用しています。必要なリソースの範囲内で柔軟にスケーリングできますが、コストを管理する必要があります。予算に合わせたプランの選択、リソースの効率的な利用、および予算の監視が必要です。
Azureデータベースサービスの活用事例
Azureの公式サイトには、データベースを用いた様々なシステムの実装例が紹介されています。本章で分かりやすい実例をご紹介します。
Azure Database for PostgreSQLを使用した財務管理アプリ
こちらの図は、財務データを集計・分析することができるシステム構成図となります。クライアントがモバイルアプリまたはブラウザーのWebアプリを使用し、Azure App Serviceを用いて財務データを集計し、データベースへ格納します。
格納した財務データはPower BIで分析をすることが可能です。
まとめ
今回はAzureデータベースサービスについて紹介しました。サービス運用において、データ管理は大変重要な要素の一つです。Azureデータベースサービスを使用するとデータベースの管理や保守を簡素化し、コスト削減することが可能です。
Azureデータベースサービスは様々なデータを扱うこと可能となっておりますので、この機会にデータベースを用いたシステム構築を検討してみてはいかがでしょうか。