公開日:2023年8月7日最終更新日: 2023年8月15日
世界中で注目されている、人工知能を活用したサービスに「ChatGPT」があります。メディアでも多数取り上げられているため、耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。時代の先端ともいえる重要なサービスです。
これから利用の場が広がると考えられますが、具体的なサービス内容を理解できていない人もいるでしょう。
今回は、これからさらに発展すると考えられる、ChatGPTの概要と始め方や使い方、実現できることまで解説します。
目次 <Contents>
ChatGPTとはなにか
最初にChatGPTとはどのようなサービスであるのか、基本的な部分を解説します。
OpenAIが開発する対話型AI
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が提供する、対話型のAIサービスです。同社が開発した、大規模言語モデルをもとに開発されています。
対話型のAIサービスとは、人間と会話するようにAIと会話できるものを指します。ChatGPTには、チャット欄が設けられていて、入力された文字列を読み解いて返答してくれるのです。内容によりけりですが、人間と遜色ないような会話を実現できます。
また「対話」であることから、内容の深堀にも対応可能です。一度会話を投げかけて終わりではなく、その返答に対してさらに会話したり質問したりできます。この点が、ChatGPTのような対話型AIを利用する、大きなメリットだと考えてよいでしょう。
ChatGPTの料金プラン
ChatGPTは、基本的に無料で利用できます。利用にあたっては、アカウントを作成する必要がありますが、ここに料金は発生しません。登録さえ済ませてしまえば、料金を意識することなくChatGPTを利用できるのです。
また、ChatGPTには有料版が存在します。月額20ドルでChatGPT Plusに加入すると、より多くの機能を利用できる仕組みです。例えば以下のような違いがあります。
- 最新の言語モデルであるGPT-4に対応
- 処理速度の向上
- プラグイン機能の解放
この中でも注目してもらいたいことは、新しい言語モデルを利用できることです。
ChatGPTは「GPT-3.5」と「GPT-4」の2種類の言語モデルを選択でき、この中でも後者は有料版でしか利用できません。ただ、これらの言語モデルは学習している内容が大きく異なるため、可能な限りGPT-4の利用をおすすめします。GPT-3.5は学習しているパラメータ(内容)が少なく、文章の生成力も曖昧な部分を含みやすいですが、GPT-4は約600倍のパラメータから学習しているからです。そのため、より正確な内容かつ違和感のない文章を短時間で生成できるようになっています。
例えば、GPT-3.5は文末が「ます。」で終わる文章を大量に生成します。そのため、人間が読むと意味は通じますが違和感を感じるのです。しかし、GPT-4を利用すると「Aだと判明しました。これよりBと証明が可能です。Cという仮説が立証されました。」などと違和感のない文章を生成できます。無料版でも問題ありませんが、有料版に切り替えると、さらにChatGPTを活用できるのです。
なお、現在は新しく、プラグインと呼ばれる機能が利用できるようになりました。こちらも、有料版でのみ解放される機能であるため、興味があるならば有料版を検討しましょう。
ChatGPTの始め方と使い方
上記では、ChatGPTの概要について紹介しました。続いては、ChatGPTの始め方や使い方について解説します。
ChatGPTの始め方
ChatGPTを使い始めるためには、会員登録を済ませなければなりません。公式サイトからアカウントを作成できるため、まずはChatGPTにアクセスしましょう。
アカウントを作成する方法は、①メールアドレスで新規登録するものと、②他社のアカウントと連携するものに大別されます。どちらを選択しても、ChatGPTの利用に影響は出ないため、利便性の良いものを選択すると良いでしょう。
新規に登録する場合は、公式サイトの「Create your account」からメールアドレスを入力して手続きを進めます。電話番号の認証も必要となるため、その点は理解しておきましょう。指示に従って手続きを進めると、ChatGPT専用のアカウントが発行されます。
他社のアカウントと連携する場合は、利用するアカウントに応じたアイコンをクリックするだけです。確認画面が表示されるので、情報の連携に同意しましょう。
どちらの方法でアカウントを作成しても、最終的には、ChatGPTのメイン画面が表示されます。
ChatGPTの使い方
ChatGPTにログインすれば、簡単にAIサービスを利用可能です。チャット欄に様々な内容を入力して、AIとの対話を楽しんでみましょう。日本語はもちろん、英語など多言語に対応しています。
なお、ChatGPTと会話するときの注意点として、情報の信頼性が挙げられます。まず、ChatGPTは最新の情報を学習しているのではなく、2023年の初期頃までしか学習していません。最新の話題について問いかけると、回答できない可能性があります。
また、回答内容が必ずしも正しいとは言い切れません。誤った内容を回答してくる可能性もあり、必要に応じてファクトチェックが求められます。
ChatGPTで実現できること
ChatGPTを利用することで、幅広いことが実現可能です。例を挙げると際限がありませんが、特に知ってもらいたいものを紹介します。
文章作成
ChatGPTを利用することで、文章作成が可能です。例えば、特定のテーマに沿って小論文を書いてもらえます。また、特定のシチュエーションを伝えることで、手紙の文章を考えてもらうことも可能です。幅広く文章作成できると考えましょう。
しかも、言語や文体についても指定が可能です。例えば「面接の受け答えとなる堅い文章」などと指定すれば、これに答える文章を考えてくれます。あまりにも難解な指定には応えられないこともありますが、基本的には条件を踏まえて文章を作成してくれます。
質問への回答
すでに学習している事柄であれば、質問への回答に対応できます。例えば「円周率を小数点以下100桁まで教えてください」と依頼すれば、円周率についての情報が得られるのです。
ChatGPTの中でもGPT-4を利用すれば、非常に質の高い回答が得られます。検索エンジンとは異なった使い方として、ChatGPTを利用できるのです。
なお「1万円をどのように運用すれば良いですか」など、明確な答えがない質問にも回答してくれます。このような質問は、ChatGPTなりに考えて答えを出し、それを提示してくれるのです。必ずしも最善の答えとは限らないため、参考程度にすることをおすすめします。
教育支援
教育の現場でChatGPTを活用することもできます。特に問題生成において、大きな力を発揮してくれるでしょう。
例えば、ChatGPTに「答えが100になるかけ算の問題を作って下さい」と依頼すれば、算数の問題が生成されます。また、特定の英単語を利用する英作文問題と回答を考えてもらうことも可能です。日本語で指示できる問題であれば、幅広く問題を生成してくれます。
なお、一般的な義務教育の範疇だけではなく、専門的な内容についても問題や解答の生成が可能です。ChatGPTを活用することで、教育的な資料を作成する手間が大きく軽減できるでしょう。
翻訳
多言語に対応した対話型AIであり、翻訳に対応できます。日本語から外国語、外国語から日本語のどちらにも対応でき、翻訳した文章を要約することも可能です。
ただ、翻訳には対応しているものの、専門的なAIと比較すると正確さは劣ってしまいます。そのため、必要に応じて使い分けることが重要です。例えば、正確性を重視するならば専門的なAI翻訳を利用し、翻訳と要約を同時に済ませたいならばChatGPTを利用します。
プラグインの公開でさらに機能強化
ChatGPTは進化を続けていて、2023年5月に「プラグイン」が導入されました。これはChatGPTの機能を拡張できるもので、導入すると今まで以上に使いこなしやすくなります。
例えば、オンライン上に配置されている文章を読み解き、翻訳してくれるプラグインがあります。これを活用すれば、自分自身で文章を読まなくとも、概要の把握が可能です。役所から提供されている文章など、文章が長くなる傾向にあるものは、このようなプラグインによって効率よく理解できるかもしれません。
また、ChatGPTが得意としない、グラフや図、写真などの生成を支援してくれるものもあります。メディア的な部分は、他のAIが強みを持っていましたが、プラグインによって、状況が変化しているのです。
これらは一例で、新しいプラグインは次々とリリースされています。これから登場するプラグインによって、さらに便利なAIとなるでしょう。
Azure OpenAI ServiceでもChatGPTを利用可能
AzureにはAzure OpenAI Serviceと呼ばれる、OpenAI社が開発したいくつもの言語モデルを利用できるサービスがあります。Web APIとして利用できるため、少ない準備で簡単に導入可能です。また、Azureのサービスであることから、ロールによってアクセス制御ができるなど、既存のサービスやネットワークにも組み込みやすくなっています。
また、Azure OpenAI Serviceで注目したい点として、「やり取りしたデータが人工知能の学習に利用されない」ということがあります。一般的に、人工知能へ提供したデータは改善のために利用されがちですが、Azureではそれがないのです。そのため「社外秘」などのデータでも、比較的使いやすくなっています。
なお、Azure OpenAI Serviceを利用する際は、Microsoftに利用申請が必要です。許可されるまでに時間を要することもあるため、まずは申請から済ませておきましょう。
まとめ
OpenAI社が開発する対話型AIの、ChatGPTについて解説しました。世界中で利用されているAIであり、今でも進化を続けています。新しい機能が導入されるなど、ますますの発展に注目のサービスです。
基本的には、公式サイトへアクセスしそこでChatGPTを利用します。ただ、AzureからAPI経由で利用することも可能です。もし、既存のサービスやネットワークがあるならば、それに組み込んでの利用を検討しても良いでしょう。