公開日:2021年5月11日最終更新日: 2023年5月23日
世界中で幅広く利用されているパブリッククラウドに Azure・AWS・GCP が挙げられます。「クラウド」と言えばこれらのどれかに該当するケースが大半です。
そして、それぞれに特徴がありますので「違いがよく分からない」との人も多いでしょう。
今回はAzure・AWS・GCPの特徴を比較しながら解説します。Azure・AWS・GCPの選び方やシステムを構築してみた場合の料金比較も説明するため、クラウドの導入や移行を検討している方や運用費用が気になる方はぜひ参考にしてください。
目次 <Contents>
クラウドの選び方について
世界には多くのクラウドサービスがあり、日本でもさまざまなクラウドサービスを利用できるようになっています。ただ、これらの中から適切なクラウドサービスを選ぶことは難しいでしょう。
まずは、クラウドサービスの選び方について重要な4つの項目を解説します。
- 提供されているサービス数
- トラブルや問い合わせへのサポート体制
- 初期費用や運用にかかる料金
- セキュリティ対策の高さ
1. 提供されているサービス数
提供されているサービス数を踏まえた選び方が重要です。一般的には、サービス数が多いほど利便性や拡張性が高いため、サービスで比較して選んでみましょう。
現在、利用しないサービスでも、将来的に別のサービスを利用するかもしれません。
サービス数には注目すべきですが、注意したいことは「同じ粒度で比較する」という部分です。クラウドサービスによって、提供されているサービスの切り口は異なります。
例えば「仮想サーバー」とはいっても、クラウドごとにサービス内容が異なるのです。そのため、実質的なサービス数も踏まえて比較してみます。
近年は、どのクラウドサービスもサービス数が増加している状況です。ただ、サービスの統合や廃止なども多く見受けられます。必要とするサービスが、確実に提供されているか確認しておきましょう。
2. トラブルや問い合わせへのサポート体制
クラウドサービスを利用するにあたって、サポート体制が整っているかどうかを確認しましょう。可能な限りサポート体制が整っているクラウドを利用しないと、困った場合に解決できなくなります。
例えば、クラウドサービスによっては、機能やベストプラクティスについてのサポートが設けられています。自分自身でマニュアルなどを読まなくとも、サポートに問い合わせることで、解決できるのです。ただ、サポート費用などが必要となるため、その点には注意しなければなりません。
また、クラウドサービスがサポートを提供しているのではなく、ベンダーがサポートを提供していることがあります。例えば、クラウド環境の構築をしてくれるベンダーが、運用代行や保守も提供していることがあるのです。
自社での運用が難しいならば、サポート体制が整った運用代行のサービスを利用する選択肢があるため、それらも含めて検討すると良いでしょう。
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3. 初期費用や運用にかかる料金
外部のサービスを導入する際に注意したいのは、初期費用や運用費用などの料金です。この点を無視して選んでしまうと、料金が想定よりも高額になってしまい、クラウドサービスの利用を継続できなくなってしまいます。
料金はクラウドサービスによって仕組みが異なり、主に「期間重視」と「転送データ量重視」です。多くのクラウドサービスは、期間重視ですが、まずはどのような料金の仕組みであるのか確認しましょう。期間重視の料金プランでも、1年や3年の長期契約によって割引が適用されることもあります。
また、料金の仕組みを確認できたならば、実際の料金を見積もりしてみることが重要です。多くのクラウドサービスで、料金を試算するサービスが提供されています。それらを活用し、具体的な運用費用を数値で出してから選ぶ方法がおすすめです。
4. セキュリティ対策の高さ
重要なデータを保管することも多く、セキュリティの高さが重要です。近年は、どこのクラウドサービスもセキュリティの高さが当たり前ですが、その内容は少々異なります。よりセキュリティの高いクラウドサービスを選択すると、それだけ安心してシステムを運用できます。
ただ、極端にセキュリティの高いクラウドサービスを選択すると、運用費用が高額になってしまう場合も。セキュリティと運用費は関連性があるため、その点は注意しなければなりません。パブリッククラウドなど、セキュリティの高さと運用費のバランスが良いサービスがおすすめです。
とはいえ、セキュリティを高めるならば、高い料金プランのサービスを選択することが求められる傾向にあります。運用費用にインパクトを与える可能性があるため、適切な設計を意識しましょう。なお、少しの設計ミスがセキュリティの低下を招くため、費用面も含めてプロに作業を依頼することも検討してください。
Azure・AWS・GCPの注目したい特徴
Azure・AWS・GCPはどれもパブリッククラウドサービスですが、提供しているサービス(アプリケーションや機能数)がそれぞれ異なります。そこで、まずはそれぞれがどのような特徴を持つのか、皆さんが気になりそうな点を簡単に表にまとめました。
観点 | Azure | AWS | GCP |
---|---|---|---|
サービス数(アプリケーションや機能数) | 265種類以上 | 205種類以上 | 165種類以上 |
トータル料金 | 利用期間に左右されやすい | 利用期間に左右されやすい | 利用期間に加えて転送量にも左右されやすい |
仮想サーバー | オンプレミスとも連携しやすい | 独自高スペックCPU搭載 | CPU性能が高い |
ストレージ | 冗長ストレージによりリージョンの機能停止時もデータが失われない | 読み取り遅延が短く暗号化が強固 | 短時間で大量データを処理可能 |
データベース | SQL Serverに強い | 対応データベース数が多い | 独自開発のデータベースで他のデータベースからの移行に対応 |
※2023年4月の情報
仮想サーバー・ストレージ・データベースはそれぞれ容量や性能、搭載されているソフトウェアの選択肢が多数あります。そのため、上記の傾向があることを特徴としてご理解ください。もちろん、利用するサービスによって、特徴や料金などは変化してしまいます。
なお、Azure・AWS・GCPの「概要」「仮想サーバー・ストレージ」「データーベース」「メリットとデメリット」は、後ほど解説します。
Azure・AWS・GCPについてを比較
上記では、Azure・AWS・GCPの特徴について解説しました。続いては、Azure・AWS・GCPを主要な観点から比較すると、以下のとおりです。
サービス | Azure | AWS | GCP |
---|---|---|---|
概要 | Microsoftが提供 Microsoft製品と組み合わせやすいクラウドサービス |
Amazon.comが提供 世界で最も利用されているクラウドサービス |
Googleが提供 Googleのインフラや先端技術の恩恵を受けられるクラウドサービス |
メリット |
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デメリット |
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利用目的 |
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Azure・AWS・GCPのメリットやデメリットについても、後ほど細かく解説します。ここでは、これらを比較すると、どのような違いがあるのかについて注目してみてください。
また、メリットやデメリット、料金などを踏まえてAzure・AWS・GCPは利用目的が少し異なります。「クラウドはどこを利用しても同じではないか」と考えている方がいるかもしれませんが、適切な選択肢があると考えておきましょう。「絶対にこれが適している」と言い切れるわけではありませんが、ある程度は傾向があるのです。
Azure・AWS・GCPの料金比較
Azure・AWS・GCPは提供されているサービスこそ似ているものの、料金にやや違いがあります。主要なサービスで比較すると、概ね以下のとおりです。
サービス | Azure | AWS | GCP |
---|---|---|---|
仮想サーバー | Azure Virtual Machines : $180/月 | Amazon EC2:$150/月 | Compute Engine : $150/月 |
ストレージ | Azure Blob Storage : $25.0/1TB | Amazon S3 : $25.0/1TB | Cloud Storage : $23.0/1TB |
ネットワーク | Azure Virtual Network : $180/1TB | Amazon Virtual Private Cloud : $120/1TB | Virtual Private Cloud : $110/1TB |
データベース | Azure Cosmos DB : 1TB $300~ | Amazon DynamoDB : 1TB $400~ | Cloud Bigtable : 1TB $600~ |
※2023年5月の概算料金
今回は、東京リージョンで提供されているLinuxサーバーで、同程度のスペックを選択した場合で料金を試算しています。サーバーのスペックは、厳密にはクラウドサービスによって異なるため、その点は踏まえるようにしてください。
上記のとおり、主要なサービスの料金は概ね横並びであり、適切に運用すれば費用の差は限られているでしょう。Azureがやや高いように見えますが、データベースの料金は抑えられているため、システム全体では費用の差が少ないと考えられます。
なお、これからクラウドサービスを構築するならば、費用の見積もりが重要です。事前に、サーバー構成などを検討し、毎月の運用費用を試算してみましょう。もし、自力での見積もりが難しいならば、クラウドの運用代行サービスなどへ相談するとサポートしてもらえる可能性があります。
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Microsoft Azureについて
Azureの概要と特徴
AzureはMicrosoftが提供するクラウドサービスです。Microsoftのサービスということもあり、Windowsとの相性が非常に良くなっています。そもそもAzure自体がWindowsをベースとして開発されていますので使いやすさを感じられるクラウドサービスです。
しかもクラウドサービスの中ではサービス数が多く、現在265種類以上となっています。AWSも多くのサービスを提供していますが、Azureはそれを超える状況です。
また、多くのサービスを使いこなせるようになるために、オンライン学習コースが用意されています。このコースは無料、かつ日本語なので、初心者でも安心してAzureの開始に当たっての学習ができます。
Azureの仮想サーバー・ストレージ
仮想サーバーのスペックは、GCPとAWSの中間といった状況です。ただ、スペック面以外の特徴にオンプレミスとの連携機能を持つことが挙げられます。詳細は割愛しますが、オンプレミスやクラウドを組み合わせた開発環境などを簡単に構築できるものです。
また、Azureで注目してもらいたい特徴に、ストレージの長期利用が低価格である点も含まれます。最初からストレージは低価格に設定されていますが、それに加えて長期利用の割引があるのです。これは中長期的にデータを管理したり情報を処理するようなシステム構築で効果を発揮してくれます。
Azureのデーターベース
なお、データベースはMicrosoftのサービスですので自社製品のSQL Serverに力を入れています。Windows Serverで利用するようなデータベースはもちろん、クラウドだからこそのデータベースも提供されています。それ以外にもPostgreSQLやMySQLなどがサポートされています。また、Azure Cosmos DBといった高速NoSQL データベースも用意されています。
Azureのメリットとデメリット
Azureには、どのようなメリットとデメリットがあるのか、それぞれ順番に解説します。
Azureのメリット – Microsoft製品との相性と業界に特化したソリューション
表で解説したとおり、Azureには以下のメリットがあります。
- Microsoft製品との組み合わせ
- 標準のソリューション数
- セキュリティ対策
Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスであるため、Microsoft製品との組み合わせを得意としています。特に日本では、Microsoftの製品が幅広く利用されているため、相性の良いサービスであることは大きなメリットです。オンプレミスで使用されているMicrosoft製品との組み合わせも、Azureならばスムーズに実現できます。
また、Azureには業界に特化したソリューションが最初から用意されています。これらを利用すると、該当する業界でスムーズにクラウドを導入して、運用できるようになっています。
例えば、以下の業界に向けてソリューションが提供されています。
- 金融サービス
- 政府
- 医療
- 製造
- 小売
- エネルギー
- メディアとエンターテイメント
- ゲーム
それぞれの業界は、独自の課題を抱えていたり、独特な業務が存在したりします。そのような状況において、何もない状態からクラウドを構築することは、費用面でも時間面でも望ましくありません。
しかし、Azureならば最初からサービスとして用意されているため、運用面での問題を解決しやすいメリットがあります。
他にも、Azureはパブリッククラウドの中でもセキュリティ対策に力を入れていることがメリットです。近年はどのようなサービスでも、セキュリティ対策に力を入れていますが、特筆すべきものであると考えましょう。
Azureのデメリット
Azureには、メリットだけではなく以下のデメリットもあります。
- 情報量の不足
- 固有の知識の必要性
近年は解消されつつありますが、AWSと比較すると情報量が不足しています。販売されている書籍の種類は少なく、Webサイトでの情報も限られているのです。これはパブリッククラウドの中でも、メジャーとはいえない状況が続いたことが背景にあります。
また、海外での活用が多いため、英語の情報が多い点もデメリットです。必要そうな情報に出会っても、適切に理解できないかもしれません。加えて、Azureを使いこなすためには、固有の知識が求められます。他社の製品のように、直感的に利用するのではなく、事前の知識が必要なのです。この点も、Azureのデメリットになってしまいます。
AWS (Amazon Web Services) について
AWSの概要と特徴
AWSには多くの利用実績があります。クラウドといえばAWSをイメージする人が多く、利用実績も多いです。公式サイトにはユースケース※が多数公開されていて、何を実現できるのかイメージしやすい特徴があります。
また、現在サービスは205種類以上が公開されています。大きな機能追加は「re:Invent」と呼ばれる年1回のイベントで発表されやすいですが、それ以外にも日々新機能の公開やバージョンアップが行われています。
提供されているサービスが多く、それぞれは低価格で利用できるように考えられています。従量課金ですので利用容量が多くなると料金は高額になりますが、それを踏まえても料金は利用期間に左右されやすくなっています。1年間や3年間の継続利用を契約すれば、大きくディスカウントを受けられる仕組みがあります。
※ユースケースは、システムの利用者目線でどのような使い方ができるのか、事例を示しイメージを持ってもらうことです。
AWSの仮想サーバー・ストレージ
仮想サーバーやストレージは、幅広いスペックが用意されています。低スペックは他のクラウドサービスと大差ありませんが、高スペックは独自のCPUをサーバーに搭載し、他社よりも性能向上を意識している点が特徴です。
実際16コアCPUのサーバーでベンチマークテストをしたレポートでは以下のように示されています。
AWSのデーターベース
また、データベースは対応している種類が多い特徴があります。MySQLなど無料で利用できるものはもちろん、ライセンス管理が重要なOracleやAmazon独自のデータベースも利用できます。
特にOracleは法人での利用が多いですが、ライセンスの仕組みからクラウドでは使いにくい状況です。この状況をAWSでは打破できますので、「既存システムのクラウド化」などOracleライセンスの持ち込みではAWSの特徴をしっかり活かせます。
AWSのメリットとデメリット
AWSのメリットとデメリットを挙げると以下のとおりです。
AWSのメリット – サービス数の多さと他社サービスとの連携が容易
AWSのメリットは多いですが、例えば以下が挙げられます。
- サービス数
- リージョン数
- 他社サービスとの連携
AWSのメリットとして、まずはサービス数の多さが挙げられます。非常に多くのサービスが提供されていて、ユーザーは自分に適したものを選択可能です。
毎年、新しいサービスがいくつもリリースされていて、陳腐化しない点も魅力といえます。既存サービスのアップデートも、定期的に続けられている状況です。サービスの統廃合によって、利用しやすい環境も整えられています。
また、AWSは、提供されているリージョンやアベイラビリティゾーンの数が多いという点がメリットです。その他のパブリッククラウドも、複数のリージョンを提供していますが、AWSは特に多くなっています。複数のエリアから選択できるようになっていて、BCP対策やリスク回避、法規制の対応などを容易に実現可能です。
他にも、他社サービスとの連携がしやすいという点もメリットでしょう。AWSのサービス内連携できるだけではなく、外部のサービスともスムーズに連携可能です。外部サービスを活用しても、費用を抑えられるようになっていて、運用面での負担が少ないこともメリットです。
AWSのデメリット
メリットと同時にデメリットもあり、例を挙げると以下のとおりです。
- 複雑なコスト管理
- ベストプラクティスの変化
AWSは、料金管理が複雑である点がデメリットです。クラウドサービスを活用するにあたって、費用は特に意識しなければなりません。ただ、AWSは気づかないうちに費用が高まってることがあり、トラブルの原因になってしまうことがあります。
例えば、AWSの料金は基本的に従量課金制です。多く使えばそれだけ料金が増加します。この点は理解できている人が多いでしょう。ただ、課金の単位が複雑なサービスがあり、想像以上の請求を受け入れてしまうのです。
また、サービスが多いことで、ベストプラクティスを選択しにくいこともデメリットでしょう。自分が求めているアーキテクチャを複数の方法で実装できることがあり、どれを活用すれば良いのか判断できないのです。これは、サービス数が多いからこその、デメリットだと考えられます。
しかも、サービスの統廃合によって、ベストプラクティスが変化することがあります。ユーザーは、これの変化に対応することが求められ、負担がかかってしまう点がデメリットです。
GCP (Google Cloud Platform) について
GCPの概要と特徴
GCPは検索エンジンなどのGoogleが提供するクラウドサービスです。Google Workspace(Gmail、カレンダー、スプレッドシートなど)と相互補完の関係にあり、連携することでより効率的なシステム運用とセキュリティを高めることができます。
GCPのサービスは165種類以上あり、それぞれのサービスはGoogleが今まで提供してきたサービスを元に開発されていますので、機能や性能面では非常に充実したものが揃っています。
GCPはAIの開発に向いており、さらに優れたデータ処理能力で分析にも長けています。機械学習機能が組み込まれたサービスBigQueryが提供されており、大規模データ分析でも素早く処理し、予測をたてられます。さらに、Google Analytics 4と連携も可能。
料金は容量や転送量に左右される傾向があります。ディスカウント制度がありませんので、純粋に使った容量だけの料金と考えてよいでしょう。
GCPの仮想サーバー・ストレージ
仮想サーバーは全体的にCPU性能が高く、急激なアクセス集中や負荷増加があっても負荷分散し、オートスケール機能も素早く対応することが特徴です。
また、ストレージは長期利用の割引などがないことから、一時利用に強くなっています。短期間で多くのデータを処理したり、一時的なデータ保管するのに適した特徴です。
GCPのデーターベース
なお、データベースはAWS・Azureと比較して平均10%ほど安く、長期利用でも安心です。Oracle向けのBare Metal Solutionや膨大な量のデータをリアルタイム分析、予測分析でインサイトを引き出すBigQueryなどが用意されています。
GCPのメリットとデメリット
GCPのメリットとデメリットを挙げると以下のとおりです。
GCPのメリット – 安定したインフラと先端技術の導入
GCPにはいくつかのメリットがあり、例を挙げると以下のとおりです。
- 安定したインフラ環境
- 先端技術の導入
GCPはGoogleが提供しているサービスということもあり、インフラ環境が安定しています。パブリッククラウドは、どこもインフラ環境の安定性に力を入れていますが、GCPは特に力を入れていると考えてよいでしょう。Googleはサービス全体で、可用性の高さに力を入れているため、GCPについても同様の品質で提供されているのです。
インフラ環境が安定していると、障害などのトラブルが起こりにくくなります。クラウドサービスでも、事業者側の問題による障害が発生することがあり、これを回避できることは魅力的です。
また、GCPはクラウドに先端技術を積極的に導入しています。例えば、ビッグデータ解析やAIに関するサービスが、GCPには多く用意されているのです。これはGCPを選択する大きなメリットだと考えましょう。
しかも、上記のような先端技術に関するサービスは、頻繁に追加されたり更新されたりしています。サービスが陳腐化することなく、最適なものを利用可能です。他のパブリッククラウドも、同様に先端技術を取り入れていますが、GCPは特に先端を走っていることがメリットです。
GCPのデメリット
他のクラウドサービスと同様に、GCPにおいてもデメリットがあります。
- やや少ないロケーション
- 日本語への対応不足
GCPで注意したいデメリットとして、ロケーション数が他のパブリッククラウドよりも少ないことが挙げられます。選択できるリージョン数は現時点36ヶ所と多くなっていますが、それぞれのリージョンで選択できるエリアなどが少なくなっています。結果、他のパブリッククラウドよりも、ロケーションの選択肢が少なくなってしまうのです。
ロケーションが少ないと、BCP設計などに差し支える可能性があります。また、グローバル企業の場合は、地理的に適切な場所でシステムを構築できないかもしれません。日本だけの利用であれば、大きな問題ではありませんが、世界的に見るとややデメリットです。
また、近年は対応が進んでいますが、GCPは英語だけのドキュメントが多く見受けられます。Googleは機械翻訳サービスを提供しているため、英語のドキュメントを翻訳して読むようにしているのです。この翻訳は適切ではないケースがあり、やや利便性を下げています。
こちらについても、英語力に長けていれば、大きなデメリットにはならないでしょう。逆に、英語に苦手意識があり、すべて日本語のドキュメントを希望するならばデメリットになってしまいます。
まとめ
Azure・AWS・GCPの特徴をご説明しました。AzureはMicrosoft製品との連携、AWSは利用実績、GCPはGoogleサービスとの連携など、それぞれ異なった特徴を持ちます。
また、提供されているサービス数や得意分野に違いがあります。Azure・AWS・GCP各のクラウドサービスで似ている部分と独自の特徴があるので、利用を検討する際には細かく比較しなければなりません。
とは言え、最初に気になるのはサービス数と料金でしょう。運用費用はどのクラウドサービスも似ていますが、構成によっては大きな差が生じるかもしれません。今回まとめた特徴を最低限は理解して、料金算出などに活かすようにしてみてください。
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